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歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説

歯の穿孔をMTAセメントで治療している様子|歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

2025.08.27

こんにちは、センター南デンタルクリニック院長の吉竹です。
今回は「被せ物がぐらつく」ことから来院された患者様の症例をもとに、歯の穿孔とMTAセメントによる歯の保存治療について解説します。
実際の症例写真やレントゲン写真を用いて、穿孔の発見から治療完了までの流れを詳しくご紹介します。

穿孔とは

穿孔とは、何らかの原因によって根管内と歯根の表面が交通してしまうことをいいます。
つまり、歯に本来開いてはいけない穴が生じた状態を指します。
発生原因は主に以下の3つです。

①重度の虫歯

虫歯が進行し歯質が大きく失われた結果、歯に穴が開きます。

②歯根吸収

歯の組織が溶けて穿孔が生じます。

③医原性

根管治療中の器具操作ミスにより起こります。

穿孔は術前のCTやレントゲンで発見される場合もあれば、治療中に判明する場合もあります。従来の治療では穿孔が見つかると抜歯が選択されるケースがほとんどでした。

穿孔部の封鎖などに用いられるMTAセメント

MTAセメントとは、1993年に米国で開発された歯科用の水硬性セメントです。
強アルカリ性(PH12)で強い殺菌作用をもち、口腔内のような水分の多い状態でも硬化する性質を持っています。
海外では、穿孔部の封鎖など様々な臨床応用が認められており、本来であれば「抜歯」と考えられる場合も保存することが可能になってきています。

穿孔した部位をMTAセメントで修復することで、抜歯を回避できるかもしれないことが分かってきました。
以下の文献によると、治療後12〜107カ月の評価では、86%が治癒をしたと述べてます。

参考文献:
Mente J et al.
Treatment outcome of mineral trioxide aggregate: repair of root perforations-long-term results.
J Endod.2014 Jun;40(6):790-6

穿孔部位にMTAセメントを充填し、修復した症例

センター南デンタルクリニックで実際に行った穿孔修復治療をご紹介します。

患者様は、7年くらい前に根管治療をして被せた歯が、ぐらつくとのことで来院されました。

歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

お口の中を見てみると、被せ物は土台から外れていました。

詳細を確認するため、口腔内エックス線写真を撮影しました。

歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

実際に、歯の中央部分が大きく穿孔していました。

歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

歯が薄くなった部位に亀裂が入り、そこから虫歯が広がったと考えられます。
通常は、穿孔があれば「抜歯」となることが多いです。

しかし、患者様は、なるべく抜歯せずに自分の歯を残したいと希望されていたため、MTAセメント充填を行うことと致しました。
まず、穿孔部分をMTAセメントで充填し、根管治療を開始しました。こちらは根管治療を終了したときの口腔内エックス線写真です。

歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

土台にはプラスチックを充填し、仮歯を装着しました。
仮歯で経過を観察し、被せ物を装着しました。
被せ物を装着後、腫れや痛みはなく状態は安定しています。

歯の穿孔とは?MTAセメントによる歯の保存治療を症例で解説|センター南の歯医者「センター南デンタルクリニック」

治療内容 MTAセメントで穿孔した部位を充填し修復した治療
期間 2ヶ月~4ヶ月

(根管治療の回数などにより変わります)
治療回数 4回

(根管治療の回数などにより変わります)
費用 MTAセメントの充填 20,000円(税込)

※根管治療、仮歯、土台や被せ物の治療費用は、別途かかります。

主な副作用・リスク

・虫歯や穿孔の状態によっては、抜歯になることがあります。
・被せ物を装着した後、噛み合わせの高さや形態が合わず、違和感がでる場合があります。
・時間が経過してから二次的の虫歯ができるリスクがあります。

MTAセメント治療で大切な歯を残す選択を

センター南デンタルクリニックでは、穿孔部があっても、いきなり抜歯の選択をするのではなく、ご自身の歯をどう残すかを考えることが重要だと思っています。従来の治療では、歯の神経を取らなければならなかったり、抜歯をしなければならなかったりするケースがありました。しかし、MTAセメントを使うことで、ご自身の歯が残せるかもしれません。

ただし、MTAセメントは、完全に予後を保証するものではありません。
処置を確実に行うためには、穿孔部が明視下にあることが絶対条件とされています。 

また、以下のようなケースでは結果的に抜歯に至ることもあります。   

・穿孔部の範囲が広くて封鎖に限界がある場合
・確実な止血ができない場合

なお、MTAセメントによる穿孔修復の治療費用は、保険適外のため20,000円(税込)となります。費用についてはあらかじめお含みおきください。

患者様のご要望に対応できるよう様々な選択肢を提示し、メリットやデメリットをご説明致します。お気軽にご相談ください。

 

センター南デンタルクリニック
院長 吉竹 絵里

 

こちらもご参照ください。

センター南デンタルクリニック|根管治療 

 

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