セラミック治療
セラミック治療
-
2026.10.07
症例
歯ぎしりや食いしばりの治療について 歯ぎしりや食いしばりは、上下の歯を擦り合わせたり、噛みしめたりする習癖で、何かに集中している時や就寝中など、無意識に起きていることが多く、周囲に指摘されないと自分自身では気づきにくいです。 歯ぎしりや食いしばりでは、食事の時と比較して数倍の力がかかるため、歯や顎に大きな負担がかかります。 実際にみられる症状として、以下のようなものがあります。 ・冷たいものや甘いものがしみる ・特定の歯が痛い、噛むと違和感がある ・歯が欠けたり、割れたりする ・歯ぐきが下がり、歯が長くなったようにみえる 歯ぎしりや食いしばりが起きる原因 歯ぎしりや食いしばりが起きる原因は主に3つあります。 原因1:心理的なストレス 心理的なストレスによって、無意識に歯ぎしりや食いしばりを起こしていることがあります。 原因2:歯並びや噛み合わせの不良 上下の歯並びが悪く、噛み合わせが合っていないと、安定した位置を求めて、無意識に顎を動かすことがあります。また、詰め物や被せ物の治療を受けた後、噛み合わせにズレが生じた場合にも起こることがあります。 原因3:生活習慣 不規則な生活による睡眠不足、たばこ、カフェインやアルコールの過剰な摂取があげられます。また、PCやスマートフォンなどの使用時における姿勢が原因となるとも言われています。 歯ぎしりや食いしばりをすることで起きるお口の中の変化 お口の中に起きる変化として以下のものがあげられます。 歯がすり減る エナメル質が削れて、歯が低くなり、噛み合わせが悪化していきます。 歯が割れる 歯にひびが入ったり、割れてしまったりすることがあります。 詰め物や被せ物が取れる 詰め物や被せ物が外れたり、壊れたりすることがあります。 顎関節症がみられる 顎の関節に過度な負担がかかり、口を開けたときに音がしたり、顎に痛みがでたり、開けにくくなったりすることがあります。 頭、肩、首などの痛みを生じる 筋肉が慢性的に緊張することで、「頭痛」や「肩こり」として現れることもあります。 歯ぎしりや食いしばりの治療方法 治療方法としては以下のものがあげられます。 方法1:ナイトガードを作る 就寝時にマウスピース(ナイトガード)をつけることで、歯と歯が直接触れるのを防いで歯や顎への衝撃を和らげる効果があります。歯科医院では歯型を取り、お口に合わせて作成するため、市販品よりもフィット感が良く、噛み合わせへの影響も少なくなります。 方法2:生活習慣を改善する カフェインやアルコールの摂取量や頻度を見直したり、体の緊張をほぐすようなストレス解消法を行ったりすることも重要です。 方法3:噛み合わせの確認 歯の高さを調整したり、被せ物や詰め物を適切な形態に作りかえたりすることで、噛み合わせを改善できます。 また、歯並びを整える矯正治療によって、歯ぎしりを軽減できることもあります。 歯が欠けたり、大きく割れてしまったりした場合には、被せ物で修復します。ジルコニアは強度が高く審美性にも優れ、歯ぎしりの強い力にも割れにくいのが特徴です。 センター南デンタルクリニックでは、エックス線検査の画像や口腔内の写真、動画を使いながらブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)についてわかりやすく説明し、治療方法をご提案いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|【症例】突然かけた奥歯をジルコニアで修復した治療 センター南デンタルクリニック|【症例】 欠けたプラスチックを強度のあるジルコニアに変更した治療
-
【症例】歯髄に達する虫歯がある小臼歯をセラミックで、詰め物が取れた大臼歯をジルコニアで修復した治療
2026.09.30
症例
虫歯の進行と症状について 虫歯の進行は、その方の歯の硬さ、年齢、そして生活習慣などによって異なります。 一般的に、大人の初期虫歯が削る必要のある大きさになるまでには、約1年かかると言われています。一度進行した虫歯は自然に治ることはないため、早い段階で治療することが大切です。 以下に虫歯の進行を段階で分けた評価方法をまとめました。 C0(初期のむし歯・白濁している):数か月 歯の表面が白く濁っていますが、痛みはありません。この初期段階であれば、フッ素の塗布や正しい歯磨きに修正することで健康な状態に修復ができます。 C1(エナメル質に限局した虫歯):半年 エナメル質の表面がむし歯のつくった酸で溶け、小さな穴になるか黒く変色します。この状態では痛みはほとんどありません。 C2(象牙質に達した虫歯)半年~ 象牙質に達する虫歯で、組織がやわらかいため、進行しやすくなります。冷たい物や甘い物がしみるようになります。 C3(神経に達した虫歯) 神経に達した場合、温かいもので強い痛みがでたり、何もしなくても激しい痛みを伴ったりすることがあります。痛みが数日続いても治療を受けない場合、最終的に歯髄が壊死して、一時的に痛みが引いていきます。 C4(神経が壊死した虫歯) 歯髄は壊死しているため、痛みがないことが多いです。歯を支える周りの骨にまで感染が拡がり、骨を溶かして膿が溜まった状態です。 歯髄の壊死について C3~C4のように歯髄が壊死する原因は、大きな虫歯の場合だけではありません。 過去に治療した深いむし歯 神経の近くまで削り、一度歯髄を温存したが、咬む力の負担により歯髄壊死することがあります。また、治療後にわずかに残った細菌が歯髄へと感染し、痛みを伴わずに数年かけて歯髄が壊死していくこともあります。健康な歯に比べて暗く変色します。 歯への強い衝撃(外傷) 事故などで歯をぶつけた場合、後に神経への血流が途絶え、徐々に歯髄が壊死することがあります。ぶつけた後、数週間〜数ヶ月後に歯が変色したり、歯ぐきが腫れたりします。 歯ぎしり・食いしばり 歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯に過度な力が加わり、神経に負担がかかります。歯髄の血流が悪くなり、壊死することがあります。 重度の歯周病 重度な歯周病の場合、歯根の先に炎症が拡がったのち、歯髄が壊死する場合があります。 以上のように歯髄の壊死は様々な原因で起こります。歯髄が壊死すると栄養の供給がなくなり歯が脆くなるため、気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診することをおすすめします。 センター南デンタルクリニックでは、エックス線検査の画像や口腔内の写真を使って、虫歯や歯周病の進行度合いを分かりやすく説明いたします。また、動画を使いながら虫歯や歯周病の原因や進行の仕組みを説明し、それらの予防方法について丁寧にご案内させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|【症例】ジルコニアセラミックによる前歯の審美的な改善を目的とした治療 センター南デンタルクリニック|【症例】抜歯・歯周病治療を経て前歯をジルコニアセラミックで美しく修復した治療
-
2026.09.09
症例
虫歯ができるリスクについて 今回の患者様のように、繰り返し虫歯の治療が必要になる方は、お口の環境そのものが虫歯になりやすい状態になっていることが多くあります。お口の中が以下のような環境になっていると、虫歯ができるリスクが高まります。 1. 唾液(だえき)が少なく、口が乾いている 唾液は、虫歯の原因菌がつくる「酸」を中和するように作用し、歯を守るバリア機能をもっています。 よく噛まずに食べると、唾液の分泌量は減ってしまいます。また、口呼吸により、口が乾きやすくなります。ストレス、加齢、薬の副作用などによっても乾きやすくなると言われています。 2. 「だらだら食べ」で常に口が酸性になっている 食事をすると、口の中は一時的に酸性に傾き、歯(カルシウム)がわずかに溶け始めます。その後、唾液の働きによって中性に戻っていきます。 アメやガムを常に口に入れていたり、ジュースやスポーツドリンク、砂糖入りの飲料を時間をかけて少しずつ飲む(ながら飲み)習慣があると、口の中がずっと酸性のままになってしまいます。 3. 歯垢(プラーク)が溜まりやすい状態になっている ・歯並びが凸凹している、歯が重なり合っている ・過去に治療した詰め物や被せ物に段差や隙間ができている ・乳歯や永久歯が生えたばかり ・歯の溝が深く複雑な形をしている このような環境では歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるため、より丁寧なケアが必要です。 4. 虫歯菌(ミュータンス菌)の密度が高い ミュータンス菌など虫歯の原因菌数が多いほど、大量の酸が作られやすいです。 虫歯を予防する生活習慣について 虫歯リスクを下げるために、日常生活で取り組める方法をまとめました。 1.「だらだら食べ・ながら飲み」をやめ、食事にメリハリをつける 2.しっかり噛んで食べ、こまめに水分を補給してお口を潤す 3.歯並びが悪いところ、詰め物の周りには、デンタルフロスやタフトブラシを 併用して丁寧に磨く できることから少しずつ取り入れて、虫歯になりにくいお口の環境を整えていきましょう。 「しっかり磨いているのに、虫歯ができてしまう」とお悩みの方は、唾液の分泌量が少ない、または、食生活における習慣が深く関係している可能性がありますので、一度ご相談ください。 センター南デンタルクリニックでは、虫歯や歯周病の原因や進行の仕組みについて分かりやすくご説明し、日々のホームケアを改善するアドバイスをおこなっています。どうぞお気軽にお問い合わせください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|【症例】ジルコニアセラミックによる前歯の審美的な改善を目的とした治療 センター南デンタルクリニック|【症例】抜歯・歯周病治療を経て前歯をジルコニアセラミックで美しく修復した治療
-
【症例】10年間使用した仮歯をジルコニアセラミックにした治療
2026.08.26
症例
ジルコニアセラミックについて 今回の症例で使用したジルコニアセラミックの被せ物について、作成工程をまとめました。ジルコニアセラミックの製作には、CAD/CAM(キャドキャム)というコンピューターを使って、製品の設計から製造まで一連の流れで行う技術を使用することがあります。 ・CAD:Computer-Aided Design(コンピューターでの設計) ・CAM:Computer-Aided Manufacturing(コンピューターでの製造) 1.ジルコニアフレームをつくる(CAD/CAMを使用) ジルコニアの上にセラミックを盛り付けるスペースを残した形に設計し、円盤のディスクを削り出してフレームを作ります。その後、高温で焼くことで強固にします(焼成)。 2.セラミックの盛り付け ジルコニアの色が透けないように、セラミックとの接着を良くするために、ペースト(オペーク)を塗って、再び焼成します。焼成後に、色や透明度が異なるセラミック粉末を水で練りながら、盛り付けます(築盛)。 3.焼成と形態修正 築盛したセラミックを、炉で焼き固めます(焼成)。焼き上がったら、微調整を行います。 4.ステイン(着色)とグレーズ(艶出し) 周囲の歯と色をなじませるため、黄色味や白い線などを描き入れ、表面に艶出し材(グレーズ)を塗ります。これらを最後に焼き付けて完成です。 このような複雑な工程を踏まえて、天然の歯と見分けがつかない美しさ、滑らかな舌触りに仕上げます。 ジルコニアセラミックのメリット ・自分の歯と近い自然な色と透明感があります。 ジルコニアセラミックのデメリット ・表面のセラミックがかけることがあります。 センター南デンタルクリニックでは英語での診療対応が可能です 今回の患者様は、日本に8年間お住まいでしたが、言語の壁から前歯の治療に踏み切れずにいらっしゃいました。言語の壁から治療に踏み切れずにいる海外の方に対して、センター南デンタルクリニックでは英語での診療対応を行っております。ご自身の希望や不安をしっかりとお伝えいただける環境を整えておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。 当院では、患者様からのご相談に対して様々な選択肢を提示し、治療のメリットやデメリットをしっかりとご説明しております。ご理解いただき、ご納得された上で治療をすすめてまいりますので、どうぞお気軽にご相談ください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|【症例】ジルコニアセラミックによる前歯の審美的な改善を目的とした治療 センター南デンタルクリニック|【症例】抜歯・歯周病治療を経て前歯をジルコニアセラミックで美しく修復した治療
-
【症例】CT診断および根管治療によって抜歯を免れた歯のセラミック修復治療
2026.07.21
症例
根管治療におけるCTの必要性 今回、患者様は「左上の奥歯の歯ぐきが腫れた」との理由から来院されました。歯ぐきの腫れは、表面上の症状にすぎず、内部では想像以上に進行していることがあります。今回のケースではCT撮影の結果、左上7番の透過像が左上6番へと広がっていることが判明しました。 歯根は、曲がっており、細い根が複数あるような複雑な形態です。従来のパノラマエックス線、口腔内エックス線だけでは、正確に歯根の状態を把握することができませんが、CTを撮影することで、より精度の高い診断が可能になります。 今回も、CTによる精密な診断があったからこそ、6番の抜歯を回避し、歯を残す治療につなげることができました。 根管にできる根尖病巣について 虫歯が歯根まで達し、根尖(歯の根っこの先端)部分で細菌感染が広がると、身体が炎症反応を起こします。 この反応の結果、根尖病巣ができます。 根尖病巣があっても、痛みの自覚症状がない方が多いです。しかし、疲れがたまって免疫力が低下すると、根尖病巣が大きくなり、歯ぐきが腫れて痛むことがあります。 根尖病巣ができる原因として、以下のようなことが考えられます。 虫歯の進行や外傷などによって、歯根まで細菌感染が広がったため 歯ぎしりや食いしばりで、歯根に亀裂がはいったため 根管治療後に、再び細菌感染したため 根尖病巣の治療法には、以下のような方法があります。 治療方法1 根管治療 虫歯が歯髄まで達した場合、根管内の清掃や消毒を行います。特に奥歯は、解剖学的にも複雑な形態をしているため、以下のような理由から根尖病巣ができやすいとされています。 歯根が曲がっているため、器具が歯根の先まで届きにくい。 歯根が複数あり、全ての歯根が適切に治療されないと根尖病巣が再発してしまう。 細い歯根が無数にあり、器具が通らない部位は薬によって殺菌するしかない。 口が開かないと器具を入れにくい。 治療方法2 切開 根尖病巣が大きく、腫れて強い痛みが出た場合、歯ぐきを切開して膿を出します。 圧力が下がることで、痛みが落ち着きます。(抗生剤と痛み止めを処方します。) 治療方法3 定期検診での管理 根管治療済みの歯に対して再び被せ物を外して根管治療を行うと、歯を更に削ることになるため、歯根が割れてしまうリスクを伴います。歯ぐきが腫れて痛いといった症状がなければ、定期検診で経過をみることもあります。 治療方法4 抜歯 根管治療では治らない場合や歯根が割れた場合、抜歯となります。 センター南デンタルクリニックでは、患者様一人ひとりのご希望を大切にしながら、治療方針を決定しています。根管治療後に気になる症状がある方は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが大切です。治療内容や方針に疑問があれば、ご遠慮なくご相談ください。ご理解いただき、ご納得された上で治療をすすめてまいります。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|虫歯治療・根管治療 センター南デンタルクリニック|セラミック治療
-
2026.06.21
症例
MTAセメントの特徴 MTAセメントは、アメリカのロマリンダ大学で開発された歯科用セメントです。海外では、歯髄の保存、穿孔部の封鎖など様々な臨床応用が認められております。以下にMTAセメントの特徴をまとめました。 強アルカリ性による高い殺菌作用をもっている セメントが固まる過程で水酸化カルシウムを放出することから、強アルカリ性(pH12)という性質を持ちます。虫歯や歯周病の原因となる細菌は強アルカリ性の環境下で生き残ることができないため、殺菌効果が期待できます。 封鎖性に優れている(膨張して隙間をつくらない) セメントが固まる際、わずかに膨張して微細な隙間を封鎖することで、再び細菌が侵入するのを防ぎます。 新しく象牙質をつくるよう促す 歯髄に触れると、神経を保護するための新しい象牙質をつくるよう促します。 身体に対して安全な材料である 主成分はケイ酸カルシウムであり、細胞に対する毒性が極めて低いとされています。まわりの組織の治癒を妨げず、その再生を助けます。 これらの特徴をまとめると、MTAセメントは、患部を殺菌、封鎖し、まわりの組織再生を促すという優れた材料といえます。 従来では、神経を取るしかない、または、抜歯するしかなかった場合において、歯の寿命を長くする材料として期待されています。 MTAセメントの治療における効果 1.深い虫歯から歯の神経(歯髄)を守る 深い虫歯の時、虫歯の部分を削った際に神経(歯髄)が露出することがあります(露髄)。 従来は神経が露出すると、感染のリスクや痛みを避けるために神経をとっていました(抜髄)が、露出した神経の上に直接MTAセメントを塗布して神経を保護することで、歯をできるだけ長く保存することができるといわれています。 2.歯根の先端を完全に密閉し、再感染の確率を下げる 過去に根管治療をした歯が再度、細菌感染してしまった場合、従来は根管治療の最後にゴムのような材料を詰める際、隙間ができやすいという欠点がありました。 しかし、MTAセメントを隙間なく緊密に充填することで、再感染の確率を下げるとされています。 3.歯根にできた穴を塞ぎ、抜歯を回避する 深い虫歯によって歯根に穴が開いてしまった状態、根管治療で誤って根の壁を突き破った状態をパーフォレーションと言います。 従来はこの部位に細菌が入り込むと激しい痛みを伴うため、抜歯と診断されることがほとんどでした。 MTAは開いた穴をセメントで安全に塞ぐことで、歯を残せる可能性が高まります。 4.外科的な方法で歯根の先端を治療する 通常の根管治療ではどうしても治りきらない場合(根の先端に歯根嚢胞ができている)にも用いることがあります。患部に麻酔をし、歯ぐきを切り、骨を少し削ります。歯根の先端を数ミリ切除し、断面の穴にMTAセメントを詰めて密閉します。 以上のように、MTAによる治療方法は多岐にわたります。 MTAセメントの有効性を示す論文 MTAセメントの有効性は多くの論文やデータによって裏付けられています。その一部をご紹介します。 論文1:深い虫歯において神経をのこせる確率が高い 水酸化カルシウム製剤とMTAセメントを比較した研究 MTAセメントを用いた場合:成功率 約85% 〜 93%、水酸化カルシウム製剤(従来)の場合:成功率 約60% 〜 68% (出典:Hilton et al., “Comparison of CaOH and MTA for direct pulp capping”, Journal of Dental Research, 2013 / Mente J, et al., “Treatment outcome of mineral trioxide aggregate in open apices”, Journal of Endodontics, 2014) MTAセメントを使用することで、従来の方法よりも約20〜30%も高い確率で神経を残せることが実証されています。これまで、数年後に結果的に神経が死んでしまうことがありましたが、MTAセメントの象牙質の形成能によって大幅に減少しました。 論文2:抜歯とされてきたパーフォレーション(穿孔)の修理に効果がある MTAセメントで穴を塞いだ症例の成功率:約86% (出典:Siew WL, et al., “Treatment outcome of repaired root perforations: a systematic review”, Journal of Endodontics, 2015) これまで抜歯と言われた歯を残せる可能性があります。 MTAセメントによる治療の注意点 MTAセメントは日本でも広まりつつある治療方法ですが、注意もあります。 注意点1:すでに神経の炎症(歯髄炎)がおきた状態で使用した場合 MTAセメントによって神経が残せるケースは、細菌感染はあるものの神経がまだ回復可能な場合とされています。 夜も眠れないほどの激痛がある、温かいもので激しく痛みがある、神経の大部分が細菌によって壊死しかけている状態(不可逆性歯髄炎)など、このような症状がでている場合は、神経を取り除かなければならなくなります。 注意点2:唾液や水が入らない状態(防湿)で治療を行っていない場合 わずか1滴の唾液の中には、数億から数十億匹の細菌が存在しています。治療中に唾液が神経の露出部に触れると、セメントの下で細菌が繁殖してしまい、神経を取り除かなければならなくなります。 注意点3:修復物の劣化や破損がおきた場合 プラスチックや被せ物が劣化、破損した場合、隙間から再感染するおそれがあります 。 注意点4:自費診療(保険適用外)に対する期待と成功率の差 MTAセメントによる治療は、日本の医療保険が適用されないため、自費診療となります。また、成功率が100%ということはあり得ません(成功率は約85〜93%)。思うような結果が得られず、神経が残せないこともあります。 センター南デンタルクリニックでは、従来の診断で神経を取らなければならない虫歯、抜かなければならない歯に対して、MTAセメントによる保存を行っています。治療のメリットやデメリットをしっかりご説明し、できる限り患者様ひとり一人の希望に沿った形で進めていけるように配慮しています。治療内容や方針に疑問があれば、ご遠慮なくご相談ください。ご理解いただき、ご納得された上で治療をすすめてまいります。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|虫歯治療・根管治療 センター南デンタルクリニック|セラミック治療
-
【症例】神経に到達した奥歯と前歯の虫歯を異なる材料で修復した治療
2026.03.05
症例
CADCAM冠という選択肢 患者様は今回、奥歯の被せ物は色を気にされないとのことからCADCAM冠(保険適応内)での治療を希望されました。一方、前歯の左上2番は審美的な理由でセラミッククラウン(保険適応外)を選択されました。 このように、被せ物の材料には保険適応内・適応外を含め複数の選択肢があり、部位や見た目へのご要望、費用のご事情に合わせて選ぶことができます。 奥歯の被せ物で使用したCADCAM冠は金属が高騰し続ける中、金属に代わる材料として歯科に導入されています。 CADCAM冠 CADCAM冠とは、プラスチックとセラミックを混合したハイブリッドレジンです。 メリット ・銀歯よりも見た目が自然です。 ・金属アレルギーの方でも使用できます。 デメリット ・経年的に変色やすり減りが起きます。 ・セラミックに比べて、割れたり外れたりしやすいです。 ・銀歯より歯を削る量が多いです。 センター南デンタルクリニックでは、患者様からのご相談に対して様々な選択肢を提示し、治療のメリットやデメリットをしっかりとご説明しております。ご理解し、納得された上で治療をすすめてまいりますのでどうぞお気軽にご相談ください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|虫歯治療・根管治療
-
【症例】抜歯・歯周病治療を経て前歯をジルコニアセラミックで美しく修復した治療
2026.02.22
症例
長期的な予後を見据えたメンテナンスの重要性 歯科治療がお口全体に及ぶ場合、完治までに数年単位かかることがあります。 今回、歯周病の進行により左上7番が抜歯となりましたが、これは引越しを機にメンテナンスに通えなくなってしまったことも一因です。また、前歯の歯ぐきが下がり歯根の変色が気になるようになったのも、歯周病による歯ぐきの退縮が原因であり、メンテナンスが途絶えてしまった期間と深く関係しています。 一方で、患者様は歯を長く残したいという気持ちが強く、毎日のお口のケアは丁寧です。歯ブラシ以外にも歯間ブラシやフロスも併用されていたことで、今回の抜歯は1本のみだったと言えます。 ただし、患者様は前歯がワイヤーで固定されており、インプラントの被せ物が繋がっているため、歯間ブラシやフロスの使用はとても難しい状態です。複雑な構造物になるほど、治療後のお口のケアは難易度が増していきます。 歯周病や虫歯などは細菌が原因の感染症です。そのため、放置すると歯や歯周組織を破壊してしまう恐れがあります。原因となる細菌を除菌することで、歯や歯ぐき、骨などお口全体を健康な状態に保つことができますが、この基本的な治療が不十分であると、歯並びやインプラントの治療の長期的な予後に大きな影響をもたらします。 センター南デンタルクリニックには、過去に歯並びやインプラントといった治療を受けられた方が、メンテナンスを希望されて来院しています。日々のケアの大変さを理解されているからこそ、3ヶ月に一度のメンテナンスをしっかり受けられています。 定期的にクリーニングをしていても、日々のお口のケアを全て完璧にこなす方はほとんどいらっしゃいません。 過去に虫歯や歯周病の治療を行ってきた場合、3ヶ月で虫歯や歯周病が再発する細菌数にまで増えてしまうといわれています。 センター南デンタルクリニックでは、治療だけではなく、メンテナンスも承っております。お気軽にお問い合わせください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|歯周病治療・メインテナンス
-
【症例】抜歯してから時間が経過し、被せ物と義歯で修復した治療
2026.01.17
症例
噛む力のバランスについて センター南デンタルクリニックでは、エックス線画像や口腔内写真から、患者様のお口の中で、『どういう状態なのか、なぜそうなったのか』原因を知っていただくために、歯型を取り、お口全体の話をさせていただいています。 私たちの食生活において、噛む力は大臼歯と呼ばれる奥歯によって支えられています。今回のように28本のうち1本を失っても、ご飯は食べられると考えている方は多いと思います。実際には、奥歯が噛む力全体の80%を支えているため、大臼歯を1本失うと、その分残った歯の負担が大きく増してしまいます。 噛む力のバランスが崩れてしまった場合に起きること 歯がすり減る 上下の歯は、就寝中の歯ぎしりで急速に歯を摩耗していきます。 知覚過敏が起こる 歯ブラシの毛先が触れたり、冷たいもの、甘いものなどの刺激によって、一過性の痛みが生じます。 歯の根元が欠ける 歯ぎしりや歯を横に動かしたときに上下の歯が強く当たることで歯にたわみが生じ、歯が細かく欠けてしまいます。 歯が割れてしまう 歯ぎしりや食いしばりによって、歯に非常に強い力がかかります。神経がある健康な歯でも割れてしまうことがあります。 歯の生える位置に影響を与える 噛みしめる癖があると、骨の発育が抑制されてしまいます。奥歯の高さが低く、前歯の噛み合わせが深くなったり、前歯の傾斜が強くなってしまったりします。成長期では、骨格の形成に影響を及ぼしてしまいます。 歯のまわりの組織が損傷する 日常生活での噛む力により、歯ぐき、歯を支える骨、顎関節が損傷することがあります。これは、歯並びや噛みあわせが深く関係しています。 修復物が破損してしまう むし歯をセラミックで修復した後、そこに負荷がかかってしまうと、割れたり欠けたりしてしまいます。 お口から全身に影響を及ぼすことがある 口が開かない、肩が張る、顎が痛い、舌が痛い、腰が痛いなど、全身に影響していきます。 噛む力のバランスが崩れてしまった場合(噛み合わせが悪い)、歯と歯の間に食べ物がはさまり、歯垢が溜まるため、虫歯と歯周病になるリスクが高く、結果として歯を失っていきます。 このようなリスクを防ぐためには、失った歯を放置せず、適切な治療で噛み合わせのバランスを回復することが大切です。 センター南デンタルクリニックでは、治療方法、使用する材質、治療費用についても、ご理解し、納得された上で治療をすすめてまいります。お気軽にお問い合わせください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|入れ歯治療 センター南デンタルクリニック|セラミック治療
-
【症例】 欠けたプラスチックを強度のあるジルコニアに変更した治療
2026.01.07
症例
部分的な詰め物(インレー)に使用する材質とその特徴 今回のような見た目が少し気になる部分の修復治療の場合、歯の色を重視される方は多いと思います。天然の歯に近い白い色での修復をご希望される場合、保険適応内ではプラスチックでの治療、自費診療ではジルコニアなどの選択肢があります。それぞれの特徴をご説明いたします。 プラスチック(歯科用コンポジットレジン)の特徴 プラスチック(歯科用コンポジットレジン)には、以下のような特徴があります。 メリット① 保険が適応され、経済的負担を抑えることができます。 メリット② 虫歯の大きさによっては1回で治療が完了することがあります。 今回のように、部分的な詰め物となる場合、削った歯の表面をプラスチックでコーティングするときにも使用されます。 デメリット① 表面は凸凹しているため歯垢がたまりやすく、歯との段差から二次的に虫歯が再発しやすいと言われています。 デメリット② 水分を吸収し、経年的に劣化、変色しています。 デメリット③ 噛む力が懸かる部位では、強度が低いために再治療になってしまうリスクがあります。 ジルコニアの特徴 自費診療であるジルコニアには、以下のような特徴があります。 メリット 強度に優れているため、前歯から大きな奥歯まで使用することができます。詰め物、被せ物のみならず、インプラントの上部構造まで多岐にわたります。 デメリット 経年的な劣化により、歯との間から二次的に虫歯が再発することがあります。 センター南デンタルクリニックでは、ご相談に対して様々な選択肢を提示し、治療のメリットやデメリットをしっかりとご説明しております。ご理解し、納得された上で治療をすすめてまいります。 英語での対応も行っておりますので、海外での治療歴がある方もご安心いただける環境です。どうぞお気軽にご相談ください。 センター南デンタルクリニック 院長 吉竹絵里 こちらもご参照ください。 センター南デンタルクリニック|セラミック治療 センター南デンタルクリニック|虫歯治療
