【症例】ブリッジが適用できなくなった奥歯の咬合を補うノンクラスプデンチャー

2025.12.13
| 治療内容 | ノンクラスプデンチャーによる治療 |
|---|---|
| 期間 | 2ヵ月 |
| 治療回数 | 4回 |
| 費用(施術当時の料金) | ノンクラスプデンチャー 88,000円(税込) |
治療前の状態・主訴
患者様は2年ほど前に右上に部分入れ歯を作られており、かみ合わせが気になっていらっしゃいました。そのような中、突然前歯が欠けてしまったため、入れ歯の調整とあわせて治療をご希望され来院されました。
エックス線写真を撮影したところ、左上のブリッジの下に虫歯が広がり、被せ物が揺れていました。虫歯が非常に大きく、もう一度同じブリッジで治療することができないため、右上と同じ部分入れ歯を希望されました。
患者様との相談の結果、金属の留め具を使用しない「ノンクラスプデンチャー」で作成することになりました。また、左上前歯の先端が大きくかけていたためかぶせもので修復することになりました。

治療詳細
1日目 入れ歯の支えとなる前歯2本に仮歯をつけました。左上の一番奥を残す形でブリッジを外しました。
2日目 前歯2本の型取りを行いました。
3日目 被せ物を装着し、入れ歯の型を取りました。
4日目 左上に入れ歯が完成し、調整を行いました。
治療後の様子
患者様はエックス線の検査により、大きな虫歯があちこちできていることに驚いたが、痛みが出る前に治療を始めることができて良かったとおっしゃっていました。
患者様は年齢的にも、身体的にも長期にわたる治療は難しいことから、1回の治療時間を長く、来院回数を少なく、負担にならないよう進めていきました。足腰が悪くても、安心して通院が出来たととても喜ばれていました。


主な副作用・リスク
・装着時の違和感:
入れ歯を装着してから少なくとも1ヶ月は違和感があります。
・食べ物が詰まる:
入れ歯と歯ぐきの間には隙間があるため、食べ物がつまることがあります。
・経年的な劣化:
入れ歯の材質はプラスチックであるため、経年的に劣化していきます。
・プラスチックのバネの変形や破損:
経年的にバネが緩くなることがあります。また、細いバネの部分が破損するリスクがあります。
ノンクラスプデンチャーの特徴
ノンクラスプデンチャーとは金属の留め具を使用しない部分入れ歯です。歯茎に近い色調の材料を使用するため装着時も自然で見た目を重視される方に人気がありますが、治療を検討される際にはメリット・デメリットの両面をご理解いただくことが大切です。
メリット
・入れ歯を装着していても一般的な金属のバネが見えず、自然な仕上がりとなります。
・金属アレルギーを持っている方でも心配することなく、使用できます。
・金属のバネとくらべて、支えとなる歯の負担が少なくなります。
デメリット
・入れ歯の作成費用は、型取りやかみ合わせの記録など必要な工程を含めて、当院では88,000円(税込)となります。自由診療となるため、保険診療と比較すると費用負担が大きくなります。
・歯と歯ぐきの境目を大きく覆うため、プラークが溜まりやすく、虫歯のリスクが高まりま す。日々のケアや定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
・変形が起こるとフィット感が損なわれてしまうことがあります。
・取り扱いには細心の注意を払う必要があります。通常の使用では問題ありませんが、強い力を加えたりしないようにしましょう。
センター南デンタルクリニックでは、治療を進めるにあたり、1回の治療時間、治療回数まで、できる限り患者様ひとり一人の希望に沿った形で進めていけるように配慮しています。
治療内容や方針に疑問があれば、遠慮なくご相談ください。ご理解し、納得された上で治療をすすめてまいります。
センター南デンタルクリニック
院長 吉竹絵里
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