【症例】奥歯がなく噛めない咬合を、ノンクラスプデンチャーで改善

2026.06.05
| 治療内容 | 奥歯のかぶせ物とノンクラスプデンチャーによる治療 |
|---|---|
| 期間 | 10ヶ月 |
| 治療回数 | 22回 |
| 費用(施術当時の料金) | ノンクラスプデンチャー 88,000円(税込) 被せ物(8本) 保険適応内 |
治療前の状態・主訴
患者様は下の前歯が上あごにあたって痛みがあり、10年以上ぶりの歯科受診とのことで、来院されました。エックス線写真を撮影したところ、両側の奥歯がなく、残った歯も欠けていることが分かりました。左上のブリッジの下には虫歯が広がっており、前歯の先端はナイフのように鋭く尖り、上あごには傷ができていました。
このような口腔状態をご説明したところ「これを機に悪いところは全て治し、奥歯を補う入れ歯を作りたい」とご希望されました。ご相談の結果、虫歯には保険適用の被せ物、入れ歯はノンクラスプデンチャー(金属のバネを使わない、審美性に優れた部分入れ歯)で治療していくこととなりました。


治療詳細
1日目 エックス線検査、歯周ポケット検査、歯石除去を行いました。治療期間の間に使う入れ歯(治療用義歯)の型取りを行いました。
2日目 入れ歯の噛み合わせを取り、仮歯の型を取りました。
3日目 蝋床(ろうしょう)に人工の歯を並べた型を試適しました。
4日目〜10日目 完成した入れ歯を調整しました。連結された仮歯を右上、左上に装着し、上下の噛み合わせを数回にわたり調整していきました。
11日目〜13日目 左上の7番目の虫歯が大きく、神経を取り除く処置を行いました。
14日目〜19日目 右上3番〜6番、左上4番〜7番の8本に被せ物を装着しました。
20日目〜22日目 ノンクラスプデンチャーの型取りを行い、下顎に装着しました。
治療後の様子
患者様は10年以上ぶりの歯科受診なので、最後まできちんと治療に通えるか、不安だったようです。今回、なぜ上顎に下の歯があたるのか、その原因や治療の流れをしっかり説明してもらえたので、時間はかかったけれど、入れ歯を入れるところまで終えることができ、食事も美味しく食べられるようになり、大変満足しているとのことでした。

主な副作用・リスク
・装着時の違和感:
入れ歯を装着してから少なくとも1ヶ月は違和感を覚えることがあります。
・食べ物が詰まる:
入れ歯と歯ぐきの間には隙間があるため、食べ物がつまることがあります。
・経年的な劣化:
入れ歯の材質はプラスチックであるため、経年的に劣化していきます。
・プラスチックのバネの変形や破損:
経年的にバネが緩くなることがあります。また、細いバネの部分が破損するリスクがあります。
奥歯を失った口腔内の変化とその症状
両側の奥歯を失ってから長い年月が経つと、残っている歯への負担は次第に増していきます。限られた歯に過度な力がかかるため、歯の表面や根元にあるエナメル質が削られ、歯がしみることがあります。また、過剰な力が歯に加わると、歯を支える周りの組織が圧迫され、痛みが生じることがあります。
さらに、過度な力は歯を支える骨にも影響するため、歯が揺さぶられて動いていきます。この段階で咬み合わせのバランスを改善しないと、詰め物や被せ物が破損していきます。
上下の歯が適切な位置で噛み合っていない状態が続くと、あごの関節に負担がかかり、以下のような顎関節症の症状がでることがあります。
・口を開閉する時や食事の時に、耳の前あたりやこめかみ、頬が痛む。
・口が大きく開かない(指3本分が入らない)。
・口を開閉すると、「カクカク」「ゴリゴリ」と音がする。
噛み合わせのバランスが悪くなると、バランスを取ろうとして片側ばかりで噛むようになります。その影響は歯だけでなく、全身にも症状として現れることがあります。
・頭、首、肩の筋肉に疲労が溜まり、肩こり・耳鳴り・頭痛が起こることがあります。
・上下のあごの位置がずれていくと、顔貌にゆがみが生じることがあります。
なお、姿勢や生活習慣など様々な要因が関わっていることもあるため、総合的な判断が必要です。
このように、奥歯を失った状態を放置すると、お口の中だけでなくさまざまな影響が及ぶ可能性があります。気になる症状がある方は、早めにご相談ください。
センター南デンタルクリニックでは、治療を進めるにあたり、1回の治療時間、治療回数まで、できる限り患者様ひとり一人の希望に沿った形で進めていけるように配慮しています。治療内容や方針に疑問があれば、ご遠慮なくご相談ください。ご理解いただき、ご納得された上で治療をすすめてまいります。
センター南デンタルクリニック
院長 吉竹絵里
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